導入
フィンテック企業のVenmoは、デビットカード利用者向けの新たな報酬プログラム「Venmo Stash」を発表しました。このプログラムは、ユーザーがお気に入りのブランドと取引する際にキャッシュバックを提供し、Venmo製品の利用を促進することを目的としています。
クレジットカードのキャッシュバック報酬は一般的ですが、Venmoの報酬は最大5%がVenmoのMastercardデビットカードに還元される点が特徴です。これは、より多くの資金をVenmoのエコシステムに取り込み、サービスの継続的な利用を促すための戦略です。
若年層へのアプローチ
このプログラムは、特に若年層、中でもZ世代にアプローチするための新しい方法として注目されています。2024年の調査によると、Z世代の39%のみが頻繁にクレジットカードを利用しているのに対し、年長世代では51%が利用しています。また、別の調査では、Z世代の63%が他の支払い方法よりもデビットカードを好むと回答しています。
この傾向を受け、決済プロバイダーや小売業者は、デビットカード報酬の拡充や、「後払い(BNPL)」サービス(Affirm、PayPal Pay Later、Klarnaなど)の提供を通じて、若年層の消費者のニーズに応えようとしています。
Venmo Stashの仕組み
Venmo Stashは、ユーザーがVenmo製品とより多く関わることで、より大きな報酬を得られるように設計されています。具体的な報酬体系は以下の通りです。
- VenmoデビットMastercardでVenmo残高を利用すると、1%のキャッシュバック。
- 残高を自動補充するオートリロードをオンにすると、報酬は2%に増加。
- 毎月Venmoで直接入金を受け取ると、5%のキャッシュバックを獲得可能。
このプログラムのユニークな点は、食料品、ガソリン、外食といった支出カテゴリではなく、ユーザーが厳選されたブランドのバンドルから選択する形式であることです。例えば、「マクドナルド、TikTok Shop、Uber、Uber Eats」のグループや、「Amazon、DoorDash、Domino’s、Walgreens」のグループなどから選ぶことができます。
競合との比較と今後の展望
Venmo Stashは、Cash Appのオファーなど、競合他社が提供するキャッシュバックインセンティブとも競合します。PayPal傘下のVenmoは、来年にはVenmo Stashを拡大し、全国の加盟店でVenmoで支払う際にも報酬を提供できるようになる予定だと述べています。
この動きは、フィンテック業界におけるデビットカード利用者の獲得競争が激化していることを示しており、特に若年層の消費行動に合わせたサービス提供が重要視されていることが伺えます。
元記事: https://techcrunch.com/2025/11/10/venmo-launches-cash-back-rewards-program-for-debit-cards/
