ニューヨーク・ニックスの選手が位置情報共有型フレンドシップアプリ「Mmotion」をローンチ

はじめに

ニューヨーク・ニックスの選手であるマイルズ・「デュース」・マクブライド氏が、ベテラン起業家のジョー・アインホーン氏と共同で、新しい位置情報共有型フレンドシップアプリ「Mmotion」を立ち上げました。このアプリは、Snap MapやAppleの「探す」機能に対抗し、共通の興味を持つ人々が新しい友人を見つけ、近くのソーシャルスポットを発見する手助けをすることを目的としています。

マクブライド氏は、20歳でニックスに入団しニューヨークに移住した際、大都市での生活に圧倒され、孤独を感じた経験からこのアプリの着想を得ました。彼は「同じ興味を持つ人々と自然に出会える方法があれば」と感じ、表面的なソーシャルメディアとは異なる、より有機的なつながりを求めていました。

Mmotionの主な機能

Mmotionは、ジオフェンシングと状態追跡を活用し、ユーザーの動きを追跡します。これにより、近くにいる共通の興味を持つ人々を特定し、探索する価値のある場所を推奨します。主な機能は以下の通りです。

  • 興味に基づくマッチング: ユーザーは自身の興味を入力し、「ハイキング」「バスケットボール観戦」「アートギャラリー巡り」などの「サークル」に参加できます。
  • 位置情報に基づく推奨: ユーザーの移動履歴から、類似の価値ある場所を推奨します。
  • プライベートな位置情報ログ: ユーザーは自身の位置情報履歴を個人的なタイムラインとして確認できます。
  • メンバーシップ制: アプリを利用するには申請と承認が必要です。
  • 交流機能: 近くのユーザーにフレンドリクエストを送信したり、プライベートメッセージを送ったりできます。

プライバシーとセキュリティへの配慮

Mmotionは、ユーザーのプライバシーとセキュリティを最優先事項としています。特に注目すべき機能は以下の通りです。

  • 暗号化された位置情報データ: ユーザーの位置情報データは暗号化されており、ユーザーが共有を選択しない限り、他のユーザーにはアクセスできません。
  • デフォルトでインコグニートモード(Vault Mode): ユーザーはデフォルトで「Vault Mode」と呼ばれるインコグニート状態であり、いつでもこの設定を切り替えることができます。これにより、ユーザーは自身の可視性を完全にコントロールできます。
  • 「ペルソナ」機能: ユーザーは最大3つの異なるグループを作成し、それぞれ異なるレベルのプライバシーで位置情報を共有できます。例えば、マクブライド氏自身は、ファン向けの「デュース」ペルソナと、よりプライベートな友人向けのペルソナを使い分けることができます。これにより、自宅の住所のようなプライベートな場所を特定の少数の人々と共有しつつ、より公的なペルソナを維持することが可能です。
  • 標準的な安全対策: ブロック機能や報告機能など、一般的な安全およびモデレーションツールも実装されています。

ビジネスモデルと将来展望

Mmotionは、月額サブスクリプションモデルで運営されます。料金は「1杯のコーヒーよりも安い」とされており、手頃な価格設定が示唆されています。また、追加機能を提供するプレミアムオプションも検討されており、例えば基本プランでは都市ごとに5つのサークルにのみ参加可能です。

さらに、Mmotionは地元のビジネスにも機会を提供します。レストラン、バー、カフェ、フィットネススタジオなどをマップに掲載することで、中小企業のプロモーションを支援し、顧客ベースに関する洞察を提供します。将来的には、企業が匿名化された顧客分析データにアクセスできるサブスクリプションサービスを提供し、適切な顧客層に効果的にアプローチできるよう支援することを目指しています。収益はサブスクリプション料金と広告からも得られます。

現在、Mmotionはニューヨーク市でベータ版が提供されており、iOSおよびAndroidデバイスでダウンロード可能です。テスターからのフィードバックを基に、近い将来、より広範なローンチが計画されています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/10/knicks-player-miles-mcbride-launches-a-location-sharing-friendship-app-to-rival-snap-map/