Harbinger、FedExとの提携で電動トラック市場を牽引:1億6000万ドルを調達

Harbinger、1億6000万ドルを調達しFedEx向け電動トラックを製造へ

ロサンゼルスを拠点とする電動トラックスタートアップのHarbingerは、シリーズC資金調達ラウンドで1億6000万ドルを調達しました。このラウンドは、FedEx、RVメーカーのTHOR Industries、そしてCapricornのTechnology Impact Fundが共同で主導しました。この投資の一環として、FedExはHarbingerの電動トラックシャシー53台を発注しており、年内には納入される予定です。

2022年に設立されたHarbingerは、中型商用トラックシャシーの製造に特化しており、そのシンプルな事業戦略が功を奏し、わずか3年で生産を開始しました。今年1月にはシリーズBで1億ドルを調達しており、今回の追加投資は同社の急速な成長と市場からの高い評価を示しています。

電動トラック市場の現状とHarbingerの戦略

商用電動トラックおよびバン市場は成熟しつつありますが、依然として多くの課題を抱えています。General MotorsはBrightDrop配送バンプログラムを中止し、FordのE-Transitバンの販売も低迷しています。RivianはAmazonに約25,000台の電動バンを供給していますが、他の主要な商用顧客を獲得するには至っていません。

このような状況の中、HarbingerはBrightDrop、Ford、Rivianのバンよりも大型のトラックに焦点を当てることで、早期の成功を収めています。同社は今年だけで200台以上のシャシーを販売し、最近ではカナダ市場への拡大も発表しました。この戦略的なニッチ市場への集中が、同社の競争優位性を確立しています。

FedExの電動化への取り組みと過去の教訓

FedExは、全国的な配送フリートに電動トラックを導入するため、過去10年間にわたり模索を続けてきました。2018年には、ロサンゼルスを拠点とする別のスタートアップであるChanjeに賭け、中国製の配送バン1,000台を発注しましたが、この取引は最終的に訴訟に発展し、Chanjeはその後破綻しました。この経験は、電動化への道のりが容易ではないことを示しています。

今回のHarbingerへの投資は、FedExが持続可能な物流ソリューションへのコミットメントを再確認し、より信頼性の高いパートナーを見つけたことを示唆しています。Capricorn Investment GroupのマネージングパートナーであるDipender Saluja氏は、「FedExの参加は、中型トラック部門におけるイノベーションと、ビジネスおよび持続可能性の目標を同時に推進する電動モデルへの需要を示しています」と述べています。

業界の展望と持続可能な物流への貢献

Saluja氏はまた、「過去20年間、中型トラックフリートは少量のデモンストレーション用電動トラックを展開してきましたが、業界は今、大量導入の準備ができており、Harbingerがその規模拡大をリードしています」と強調しました。これは、電動商用車が単なる試験段階から、本格的な運用段階へと移行していることを意味します。

HarbingerとFedExの提携は、物流業界における持続可能性と運用効率の向上に向けた重要な一歩となります。電動トラックの導入は、燃料費の削減、排出ガスの削減、そして長期的なサプライチェーンの安定化に貢献し、企業の社会的責任を果たす上でも重要な役割を果たすでしょう。この動きは、将来の物流の「セキュリティ」を確保する上で不可欠な要素となります。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/13/harbinger-raises-160m-will-build-trucks-for-fedex/