Microsoft 365 Premiumの登場
Microsoftは、Copilot ProとMicrosoft 365を統合した新たなサブスクリプションサービス「Microsoft 365 Premium」を発表しました。この新プランは、月額19.99ドルで提供され、OpenAIのChatGPT Plusサブスクリプションと同価格に設定されています。Microsoftはこれを「最も強力なAIと生産性向上サブスクリプション」と位置づけており、個人ユーザーの生産性向上を強力にサポートすることを目指しています。
提供される価値と競合
Microsoft 365 Premiumには、Copilot Proの最高使用制限、GPT-4oによる画像生成および音声機能、Copilot Podcasts、Deep Research、Vision、Actionsといった高度なAI機能が含まれます。さらに、Microsoft 365 Familyの全特典も利用でき、最大6人分のOfficeデスクトップアプリへのアクセス、1人あたり1TBのクラウドストレージが提供されます。このプランは、特に「ソロプレナー、プロフェッショナル、高い目標を持つ個人」をターゲットとしており、OfficeアプリへのAI統合と豊富なクラウドストレージを強みとして、ChatGPT Plusとの直接的な競合となります。将来的には、ResearcherおよびAnalyst推論エージェントへのアクセスもWord、PowerPoint、Excelアプリで提供される予定です。
職場でのAI利用とセキュリティ
Microsoft 365 Premiumの最も注目すべき点の1つは、ユーザーが個人のMicrosoftアカウントで職場のOfficeアプリにサインインすることで、職場でAI機能(Copilot)を利用できるようになることです。これにより、企業が別途サブスクリプションを支払うことなく、従業員が個人のAIを仕事に持ち込むことが可能になります。この機能は、職場のOfficeアプリでMicrosoft 365 Copilotライセンスを有効にするものですが、企業のデータが個人のMicrosoftアカウントと共有されないよう、通常のセキュリティ、コンプライアンス、エンタープライズデータ保護機能が維持される点が強調されています。この機能はWindows PC、Mac、iPadなどのデスクトップアプリで利用可能ですが、Web版では対応していません。また、IT管理者はこのサインイン機能を有効または無効に設定できるため、企業は柔軟な管理が可能です。
Copilot Proの終焉とその他の変更
今回の変更に伴い、既存のMicrosoft 365 PersonalおよびFamilyサブスクリプションユーザーも、GPT-4o画像生成・音声アクセス、より高い使用制限、そしてこれまで商用顧客向けだったCopilot Chatを利用できるようになります。これらの機能強化により、Copilot Proは段階的に廃止されることになり、Microsoftは今後Copilot Proの販売を停止する予定です。既存のCopilot ProサブスクライバーがMicrosoft 365 Premiumに自動的に移行されるわけではなく、今後の対応については検討中とのことです。
元記事: https://www.theverge.com/news/789493/microsoft-365-premium-features-pricing
