テスラ、アリゾナ州でロボタクシーサービス展開へ
電気自動車大手テスラは、アリゾナ州の規制当局からライドヘイリング(配車サービス)の許可を取得しました。これは、同州でロボタクシーサービスを開始するための最終的な規制要件を満たしたことを意味します。
アリゾナ州運輸局(ADOT)によると、テスラは11月13日に運輸ネットワーク企業(TNC)許可を申請し、要件を満たしたため11月17日に許可が発行されました。
自動運転技術の拠点、アリゾナ州
アリゾナ州は、自律走行車技術のテストと開発の中心地となっており、Alphabet傘下のWaymoが2018年からフェニックス地域でロボタクシーサービスを運営しています。Waymoのサービスは現在、フェニックス都市圏の315平方マイルをカバーしています。
アリゾナ州法では、自動運転車のテストには自己認証プロセスが適用されますが、有料のライドヘイリングサービスを運営するには、人間またはロボットが運転するかにかかわらずTNC許可が必要です。テスラは今年6月にADOTに連絡を取り、9月には自動運転車のテスト許可(運転手あり・なしの両方)の自己認証プロセスを完了していました。
他地域でのテスラのロボタクシーの取り組み
テスラCEOのイーロン・マスクは、ロボタクシーサービスを展開するターゲットとしてアリゾナ州を含む複数の州を挙げています。
既にテスラは、限定的ながらも他の地域でロボタクシーの試みを行っています。
- サウスオースティンでは、6月に限定的なロボタクシーサービスを開始しましたが、そこでは人間の安全オペレーターが助手席に乗車しています。
- カリフォルニア州でも「偽の」ライドヘイリングサービスを開始していますが、同州での商業ロボタクシーサービスに必要な適切な許可は取得していません。代わりに、同社はチャーターサービスの許可を利用し、従業員が「Full Self-Driving Supervised」を搭載したテスラ・モデルYを運転して乗客をピックアップしています。
今後の展望と課題
今回の許可取得により、テスラはアリゾナ州での本格的なロボタクシーサービスの展開に向けて大きく前進しました。しかし、完全な自律運転による配車サービスの実現には、技術的な成熟度だけでなく、各地域の複雑な規制要件への対応が引き続き重要となります。特に、人間による監視なしでの運用や、商用サービスとしての適法性の確保が焦点となるでしょう。
