有名テックYouTuber、MKBHDの挑戦
著名なテック系YouTuberであるMarques Brownlee(MKBHD)は月曜日(2025年12月1日)に、自身の立ち上げたスマートフォン向け壁紙アプリ「Panels」がサービスを終了することを発表しました。
MKBHDは、自身の動画で紹介する魅力的な壁紙が常にファンから注目されていたことから「Panels」の開発に着手。2024年9月のローンチ時には、アーティストと提携して高解像度の壁紙を提供し、ユーザーは年間50ドルまたは月額12ドルのサブスクリプションで利用できるモデルを採用していました。アーティストには収益の一部が還元される仕組みでした。
期待と裏腹の市場の壁
ローンチ直後、「Panels」はMKBHDの影響力も相まってiOSおよびGoogle Playの写真アプリカテゴリで一時的にランキング1位を獲得するなど、大きな注目を集めました。しかし、アプリはその勢いを維持することができませんでした。
Brownlee氏は、未公開のYouTube動画で「ニッチなアプリだと認識はしていたが、最初のアプリ開発で多くの間違いを犯した。最終的に、私が思い描いていたビジョンを実現できなかった」と語っています。また、ブログ投稿では「開発チームの構成が変化し、アプリを成長させる適切な協力者を見つけることができなかった」とも付け加えています。
多くの消費者が壁紙に料金を支払う習慣がないという、根本的な市場の課題を克服することができませんでした。
低迷する利用状況と経済的な課題
アプリ分析企業Appfiguresのデータによると、「Panels」はリリースから現在までにiOSとAndroid合わせて約90万回のダウンロードと、9万5,000ドルの消費者支出を記録しました。しかし、先月にはダウンロード数がわずか3,000回、消費者支出も500ドルにまで落ち込み、米国のアプリストアのランキングにも登場しないほど低迷していました。
Panels自身の開示によると、ユーザーは200万枚以上の壁紙をアプリからダウンロードしたとのことです。
サービス終了後の対応
「Panels」は2025年12月31日に正式にサービスを終了します。これに伴い、有効な年間サブスクリプションを持つユーザーには返金が行われる予定です。
また、サービス終了後はすべてのユーザーデータが削除され、アプリのコードはオープンソース化されるとのこと。これにより、他の開発者が「Panels」のコードを基に新たなプロジェクトを構築する可能性が開かれます。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/01/mkbhds-wallpaper-app-panels-is-shutting-down/
