Apple AI部門トップが交代
Appleの人工知能(AI)部門を率いてきたジョン・ジャナンドレア氏が、Siriの度重なる困難を受け、その職を辞任することが月曜日に発表されました。彼の後任には、元Microsoft AI担当副社長のアマール・スブラマニャ氏が就任します。スブラマニャ氏は、Googleでの16年間の経験を経て、今年7月にMicrosoftのAI部門に加わっていました。
ジャナンドレア氏は2018年にSiriの改善を目的としてAppleに入社しましたが、2026年春に退職するまでアドバイザーとしてAppleに留まります。
Siriの遅延とリーダーシップへの疑問
この交代劇の背景には、AppleがAI搭載Siriの再起動に苦戦し、今年初めに予定されていたパーソナライズ版Siriのローンチを延期したことがあります。3月には「思ったよりも時間がかかっている」と認め、そのリリースを延期しました。
その後、Bloombergは、Appleのティム・クックCEOがジャナンドレア氏のAIチームを率いる能力に「自信を失った」と報じ、Vision Proのリーダーであるマイク・ロックウェル氏をAI担当に任命したと伝えています。この報道が今回の人事へと繋がったと見られます。
新AI責任者の役割とAppleのAI戦略
新たにAI担当副社長に就任するスブラマニャ氏は、AppleのAIモデル開発、機械学習研究、そしてAIの安全性と評価を監督します。彼はAppleのソフトウェア担当上級副社長であるクレイグ・フェデリギ氏の直属となります。
Appleは、スブラマニャ氏の「AI研究を製品に統合する経験が、Appleの継続的な革新と将来のApple Intelligence機能にとって重要になるだろう」と述べています。
ブルームバーグの報道によると、Appleは来春にアップグレード版Siriをリリースする予定で、その新機能の一部にはGoogleのGemini AIモデルのカスタムバージョンが活用される見込みです。クックCEOは声明で、「AIは長きにわたりAppleの戦略の中心であり、アマールをクレイグのリーダーシップチームに迎え、彼の並外れたAI専門知識をAppleにもたらすことを嬉しく思う」とコメントしています。
今後の展望
Appleは、来年、ユーザーによりパーソナライズされたSiriを提供するという目標を掲げており、このリーダーシップ交代がその実現に向けた大きな一歩となるか注目されます。新体制の下で、AppleのAI技術がどのように進化していくのか、今後の発表が待たれます。
元記事: https://www.theverge.com/news/835466/apple-ai-chief-john-giannandrea-steps-down-siri
